「GI滋賀」は2022年4月13日に国税庁長官の指定を受けました。
滋賀県は日本列島のほぼ中央に位置しており、中央部には近江盆地と、県土のおよそ6分の1の面積を占める、日本最古で最大の湖である琵琶湖があります。この琵琶湖の周囲は、比良山地・比叡山地・伊吹山地および鈴鹿山脈といった1,000メートル級の山々に四方を囲まれています。
これらの山々からは、大小あわせて約460の河川が琵琶湖へと流れ込みます。それにより、肥沃な土壌が運ばれて扇状地や三角州が形成され、水はけが良く肥沃な土地が生まれました。また、周囲の山々を水源とする豊かで良質な伏流水は、古くから近江盆地や棚田での稲作に活用されてきました。その結果、近江米として名高い良質な米が生産され、清冽な伏流水とともに清酒の原料として用いられてきました。
このような自然環境のもとで育まれた良質な米や豊かな伏流水、そして穏やかな発酵を促す寒冷な気候により、滋賀県の清酒は「米由来のふくよかな甘味と旨味」という特性を有する酒に仕上がっています。
滋賀の清酒は、総じて米由来のふくよかな甘味と旨味を有しています。口に含むと、穏やかな甘味や旨味が膨らむ味わいの中に、しっかりとした酸味も感じられ、冷酒から燗酒まで幅広い温度帯で楽しむことができます。
純米酒は香りが控えめではあるものの、米に由来する香りに加えて、酵母によって形成される果実のような香りも感じられます。また、純米吟醸酒では、果実のような華やかな吟醸香を楽しむことができます。いずれも、甘味・旨味・酸味・香りのバランスが取れており、飲み飽きしない酒質となっています。