「GI山形」は2016年12月16日に国税庁長官の指定を受けました。
清酒として3例目の地理的表示で、県全体に対する指定は国内初です。
山形県は日本海式気候に属しており、冬季には多くの積雪があります。この積雪は、酒造りに欠かせない連峰や山系特有の優れた地下水をもたらしています。その水質は、酒造りに適した鉄分の少ない清冽な軟水であり、これを仕込み水として用いることで「透明感のある」酒質が育まれてきました。
また、山形県の厳しい冬の寒さは、酒造りにおいて雑菌の繁殖を抑制し、低温での長期発酵を可能にするため、いわゆる「吟醸造り」に最適な環境を提供しています。この厳寒の気候と清冽な仕込み水が相まって、「やわらかな」酒質が形成されてきました。
山形の清酒は、総じてやわらかく、透明感のある酒質を有しています。
中でも、純米酒や本醸造酒は、酸味と旨味が調和した、ふくよかで奥行きのあるやわらかな味わいを持っています。また、純米吟醸酒や吟醸酒は、やわらかな口当たりと果実のような香りが調和し、より一層の透明感が感じられる酒質となっています。