「GI伊丹」は2024年11月29日に国税庁長官の指定を受けました。
伊丹市の産地の範囲は、兵庫県の南東に位置し、六甲山、長尾山、北摂山系の山々に囲まれた、猪名川と武庫川の間になだらかに広がる丘陵地です。
数万年前まで海が広がっていた伊丹市は、時代の変化とともに地盤が隆起し、猪名川と武庫川が運んできた砂礫が積み重なることで、貝殻を含んだ粘土層と砂礫層が重なり合う特徴的な地層を形成しました。
長尾山や北摂山系の山々に蓄えられた水は、これらの地層を通ることで適度なミネラル分を含む中硬水になると考えられています。この豊富で清冽な水を酒造用水に用いることで、もろみの発酵をほどよく促し、渋みの少ないすっきりとしたのど越しの良い酒質が生み出されています。
伊丹の清酒は、穏やかな麹と長尾山・北摂山系の良質な水を使用し、適度な甘味とキレの良い酸味が感じられる酒質です。
口に含むと、甘味や旨味によるコクが広がるとともに、適度な酸味と苦味が余韻のキレを生み出し、味全体に締まりを与えます。その結果、原料である米由来の甘味の中に、清らかですっきりとした味わいが感じられます。
また、この地で醸造される本醸造酒・吟醸酒・大吟醸酒は、甘味・旨味・酸味のバランスがとれ、さらにキレのある酒質となっています。