「GIはりま」は2020年3月16日に国税庁長官の指定を受けました。

はりまで造られた日本酒を保護する地理的表示制度です。

兵庫県は、日本列島の中心付近に位置しており、北側は日本海、南側は瀬戸内海に面しています。県の中央部には、標高1,000メートルに満たない比較的低い山々からなる中国山地が東西に伸びており、日本海側から吹き込む湿った風がこの山地に豊富な降雨をもたらしています。山々に蓄えられた水は、県内最長の加古川をはじめ、市川、夢前川、揖保川、千種川など数多くの河川を形成し、山麓に広がる穀倉地帯に豊かな水資源を供給しています。

清酒の原料となる米は、こうした穀倉地帯で栽培されています。なかでも「山田錦」は、清酒造り専用の品種としてこの地域で品種改良により生み出されたものです。米が登熟する時期には、六甲山系が南からの暖かい空気を遮断し、一日の気温差が大きくなる気候や、ミネラル分が多い粘土質の農地の影響を受けることで、山田錦に心白の形状や脂肪・たんぱく質の少なさといった、清酒造りに適した性質が備わります。

はりまの清酒は、総じて口当たりが柔らかく、優しい丸みを持ち、苦味や渋味が少ない繊細なコクと豊かな香味のふくらみを有しています。また、兵庫県で生産された山田錦を使用し、健全に育成された麹を用いることで、醪に心地良い酸味が付与され、後味が軽快な酒質に仕上がります。

特に、純米酒や本醸造酒は、コク・香味・酸味のバランスが取れた飲み飽きしない酒質となっており、また純米吟醸酒や吟醸酒は、華やかなリンゴのような果実様の甘い香りが心地よい酸味と調和することで、さらに喉ごしの良い酒質となっています。