「GI南会津」は2024年8月30日に国税庁長官の指定を受けました。
南会津町は、東北地方の一番南側に位置する福島県で、栃木県那須塩原市や日光市に隣接しています。南会津町の総面積の約9割は森林で占められ、越後山系から連なる 帝釈山たいしゃくさん(標高約2,060m)をはじめ、四方を急峻な山々に囲まれた豪雪地帯です。
この地域は太平洋に注ぐ利根川水系男鹿おじか川と日本海に注ぐ阿賀野川水系阿賀あが川の分水嶺に近く、ミネラル分の溶け込みが大変少ない平均硬度約30(mg/L)の軟水が豊富で、この軟水を仕込水に使用することで、発酵が穏やかに進み、口当たりがやわらかく、上品な甘みの酒質となります。
この地域は年間降雪量が9mを超える豪雪地帯であり、最低気温がマイナス10度以下となることもあります。一方で、夏場の昼夜の寒暖差が大きく、豊富な雪解け水があることから、福島県の酒造好適米「夢の香」をはじめとする米作が盛んに行われており、米の旨味が感じられる原料米が産出されています。
冬場は、酒蔵に降り積もった雪が天然の断熱材となることから、外気の影響を受けにくいため、酒蔵内部の温度が一定に保たれることから、繊細な温度管理が必要な酒造りに最適な環境となっており、フルーティーな香りを醸し出す一因をとなっています。
南会津の純米酒は、総じて口当たりがやわらかく、米由来の優しい甘みとフルーティーさが引きたった、後味がすっきりとしている点に特徴があります。
色は透明から淡い金色で、口に含むと、特に純米大吟醸酒や純米吟醸酒は、口の中に上品な甘みがやわらかく広がり、リンゴやメロンといった果実を思わせる爽やかな香りも感じられ、甘みと香りが調和した、すっきりとした余韻が楽しめるお酒です。