「GI長野」は2021年6月30日に国税庁長官の指定を受けました。

長野県は本州の中央部に位置しており、北西部には飛騨山脈（北アルプス）、南東部には赤石山脈（南アルプス）が広がり、周囲を2,000メートルから3,000メートル級の高い山々に囲まれています。県の中央部にも木曽山脈（中央アルプス）が位置しており、県全域にわたって山岳が多く見られる急峻で複雑な地形を形成しています。総面積のほとんどが山地であり、平均標高は1,000メートルを超えています。

これらの高い山々に降る雨や雪は、急峻な地形と相まって多数の河川を形成しています。特に、東北部に向かって流れる千曲川や犀川、中央部の諏訪湖を水源とし南へ流れる天竜川では、河川に沿って盆地が形成され、その盆地を中心に都市や農地が広がっています。これらの地域は内陸性の気候に加えて標高が高いため、7月から8月にかけては比較的日照時間が長く気温も高くなりますが、夜間は冷え込む傾向があり、気温の日較差が大きくなります。この気候条件により、でんぷん質が豊かに蓄積された、酒造りに適した米を収穫することができます。

このような優れた米と、日本屈指の高山から流れ出る清冽な水によって醸造される長野の清酒は、雑味が少なく濃厚な味わいと、きれいで穏やかな香りが調和した酒質を生み出す要因となっています。

長野の酒は総じて、雑味が少なく濃厚な味わいと、きれいで穏やかな香りが調和した酒質を有しています。米の旨味を凝縮したような濃厚な味わいは、雑味の少なさと相まって、甘味や酸味が折り重なるように口の中に広がります。そのため、清酒だけを味わっても十分な満足感を得ることができますが、濃厚な味わいの料理と合わせていただくことで、料理の旨味を一層引き立てることができます。

また、きれいで穏やかな香りは、料理の風味を邪魔することなく、味わいに集中できる環境を口の中に整えるとともに、きれいで穏やかな余韻を残します。