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さつま芋はやせた土地でも育つ食物として重宝され、江戸期、享保の大飢餓で薩摩の人々を救いました。日本には17世紀末にフィリピン、唐(中国)、琉球を経て薩摩藩に伝わったため、唐芋(からいも)とも呼ばれていますが、領地のほとんどが火山灰で覆われていた鹿児島県や宮崎県南部など、九州南部と東京都下の伊豆諸島が主産地です。
現在では県内で40種類ほど栽培されています。そのうち、焼酎の原料として最も多く使われているのが、デンプン質の多い品種コガネセンガンです。
この他、ベニサツマ、ベニアズマ、ジョイホワイトなどがあります。中でもジョイホワイトは焼酎原料用として品種改良で生まれた文字通り皮も中身も白い、いわゆる“芋臭さ”のない芋です。これで造ったいも焼酎は淡麗な味わいになります。 |
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・鹿児島県 ・宮崎県 ・東京都伊豆諸島 |
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いも焼酎は蒸し焼きにしたさつま芋の芳香があり、原料の特徴がそのまま製品の風味に現われています。
その風味はさつま芋特有のソフトで甘味があり、水または湯と焼酎をどのような割合で混ぜ合わせても、風味のバランスがくずれない特徴があります。
1782年に薩摩を訪れた江戸後期の著名な医者・橘南谿(たちばななんけい)は、芋焼酎を飲み「味、はなはだ美なり」と、そのおいしさを絶賛しています。 |
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