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泡盛はインディカ種と呼ばれる細長い粒をした硬質のタイ米沖縄原産の黒麹菌を使用して発酵させた醪(もろみ)をそのまま蒸留した、いわゆる全麹仕込みの蒸留酒です。
日本最古の蒸留酒である泡盛は、500年以上も前の15世紀に当時シャムと呼ばれていたタイから酒とともに製法も伝わったと考えられています。朝鮮政府が編纂した「李朝実録」によれば、1477年、朝鮮の済州島民が琉球に漂着したときの見聞の中に「那覇には、清、濁の酒及び南蛮の酒がある」と記しています。清の酒が蒸留酒(泡盛)、濁の酒がどぶろく、南蛮の酒がタイの蒸留酒「ラオ・ロン」をさしています。また、1853年に琉球を訪れたアメリカのペリー提督は晩餐会で飲んだ泡盛を「芳醇で、まろやかに熟していた」と絶賛したといいます。
泡盛は、琉球王朝時代から外交には欠くことのできない酒だったのです。 |
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・沖縄県 |
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他の地域の米焼酎とは製法が違い、泡盛特有の風味を持っています。特に、熟成期間を長くして造った古酒(クース)泡盛は特有の香りと濃厚な丸味があります。
また、泡盛は他の焼酎よりアルコール分の高い製品が多く、最高43度までの製品があります。
ソフトタイプ:泡盛特有の香りと濃醇でキレの良い旨味。
ハードタイプ:長期熟成した古酒は独特の芳香と濃厚な丸味、旨味。 |
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泡盛は熟成させればさせるほど、まろやかな味になり、馥郁(ふくいく)とした旨さが生まれます。通常、南蛮焼や荒焼と呼ばれる甕(かめ)で貯蔵します。3年以上寝かせた泡盛を古酒(クース)と呼び、より熟成が進む泡盛の伝統的な熟成法(仕次ぎ法)で造ります。
その方法は、まず「新酒」としてアルコール分が40度位で好みの種類の壷入り焼酎(3〜5升入り)を購入し、それを家の適当な所に安置して鑑賞かたがた熟成させます。以後、1年間隔で同種類の焼酎を「二番手」、その翌年に「三番手」まで購入します。(下図参照)
三番手を用意して1年後には「親酒」は3年間熟成されたことになり、立派な古酒が誕生します。その間、自然に蒸散したり、飲んだりして減りますが、減った分は必ず焼酎を順次補充します。熟成3年以後は毎年減った分だけ同種類のビン詰焼酎を購入して、これを
「三番手」の壷に補充すればよいことになります。「仕次ぎ」を怠らずに励行し、子孫末代まで家訓として引き継ぎ、○○家秘蔵の「百年古酒」の家宝となるのです。 |
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超古酒熟成の南蛮かめ
この南蛮かめの中には百年もの超古酒がねむっている。
(沖縄県識名酒造場の秘蔵品) |
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 |
泡盛の由来については、次のような諸説があります。
<原料起源説>
原料として粟を使ったからとする説。
現在は米を原料といていますが、江戸時代の文献「成計図説」などに粟でつくったので「粟盛り」と呼び、それが「泡盛」になったと記述されています。
<泡由来説>
蒸留の際、泡が盛り上がることから「泡盛」となったとする説。
泡盛はアルコール度数が高いほど泡立ちが多く、その泡立ち具合でアルコール分の強さを計ったといわれています。
<薩摩命名説>
薩摩藩が九州の焼酎と区別する為に命名したとする説。
琉球からの献上品目録に「焼酎」とあったものが、1671年から「泡盛」と記されるようになりました。
<梵語起源説>
古代インドのサンスクリット語(梵語)で酒のことを「アワムリ」といい、それに由来するという説。 |
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