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本格焼酎と泡盛
続 知ってる?本格焼酎のコト
   
第23回:おいしい飲み方

伝統の薩摩焼〜直火に耐える技術で「黒ぢょか」復権


6年連続で出荷量が増加して、本格焼酎の人気はとどまるところを知らないようです。この影響が酒器にも出てきています。見たことのある方もいるかと思いますが、いも焼酎の伝統的な飲み方は、「黒ぢょか」と呼ばれる容器にあらかじめ水で割った焼酎を入れて囲炉裏などで温めて飲むという方法です。最近では、日本酒の燗酒同様に家庭内ではそんなことは面倒とばかり、グラスに入れてレンジでチン!という方も多いようですが、焼酎ブームを受けて、この「黒ぢょか」もお土産品として人気を集めているのだそうです。

しかし、こちらも単なるノスタルジアで売れているのではありません。もともとの薩摩焼の「黒ぢょか」は直火には耐えられないものだったのです。しかし2年ほど前から、ガスコンロの熱に耐えられる製法で「頑黒」という商品が発売されたのがきっかけとなり、復活が始まったのです。直火ならば、家人の手を煩わせることもありません。

本場の焼酎好きに言わせると、魔法瓶のお湯で割るよりも口当たりが柔らかくなると言います。人肌程度に温めた焼酎を「黒ぢょか」から注ぎながらゆったりと飲む。涼しくなってきたらその季節を感じるためにも「黒ぢょか」を使って本格焼酎をしみじみと味わいたいものです。

酒文化研究所 狩野卓也(日刊ゲンダイ 9/9掲載)

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