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数百年の歴史がある本格焼酎と泡盛には各地に酒席を彩どる伝統の酒器があります。 |
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沖縄では、野良仕事に持って行く湯茶を入れるツル付の土瓶をチャーカァ(茶家)といいますが、これを小型化した泡盛用の酒器をチュウカァ(酎家)といいます。
古代日本のヒサゲがもとといわれるこの酒器は、鹿児島ではチョカといい、千代賀と当て字が書かれたり、土瓶と書いてチョカと読ませています。
沖縄の酎家と鹿児島のチョカの違いはツルの部分と焼成温度にあります。酎家のツルは陶製で胴体に固定されてるため細工が難しく、また壊れやすいので、沖縄が本土に復帰する(昭和47年)前まで一流料亭で使われていましたが、今では姿を消し、カラカラに替わりました。
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カラカラは沖縄で創作された酒器です。酒好きな坊さんが、丸餅にヒントをえて、絶対に倒れない徳利をつくったところ「貸せ貸せ(カラカラ)」と評判になったので、そう名付けたという民話が宜野湾に残っています。
これが鹿児島のカラカラ、熊本のガラと、北へ伝えられていくうちに、丸餅形の胴高が高くなり、注ぎ口や首が伸び、直火で燗も注ぐことができる磁器製にかわりました。本格焼酎が南から伝えられていったことを示す証拠の一つです。
鹿児島のチョカの焼成温度は酎家より高く、火にかけて燗ができますが、沖縄の酎家やカラカラは火にかけると割れてしまいます。暑い沖縄では暖める習慣がないのです。宮崎県には炉端に差して欄をつけた日向チロリが変形した鳩徳利があります。南から北ヘ、清酒文化圏に本格焼酎が普及していくにつれ、清酒用の酒器が共用されるようになりました。
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球磨地方の酒器ガラ(右)は、沖縄や鹿児島のカラカラとルーツは同じ。
磁器なので直火にかけることができます。 |
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チョク(猪口)の一種、円錐形をしたソラキュウは注がれたら飲み干さないと、こぼれてしまうユニークなぐい呑みです。 |
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