貯蔵酒はひと味違う―酒のタイプに応じた飲み方を選ぼう
私は本格焼酎のおいしい飲み方として、お湯割りか水割りを提唱してきました。しかし「例外のない規則はない」という諺どおり、バラエティ豊かな本格焼酎は、ほかの飲み方の方がよりおいしいものもたくさんあります。
たとえば長期熟成酒の場合には少し冷たくしてストレートやオンザロックで飲んでも大変おいしい。ちなみに長期熟成酒とラベルに書かれている場合は「3年以上貯蔵した焼酎が総量の50%以上を超える場合に限る」という規定があります。
減圧蒸留が導入される以前は、米や麦など穀物系原料の本格焼酎の場合、数ヶ月から長いものでは数年間貯蔵熟成させてから、瓶に詰められて出荷されるものが中心でした。沖縄の泡盛を筆頭に米の球磨焼酎、麦の壱岐焼酎など伝統産地の焼酎には、この貯蔵タイプのものが多かったということもうなずける話です。
貯蔵熟成という時間を経験することで、蒸留直後には残っていたくせのある香りや荒々しい感じが、マイルドで飲みやすい酒質に変化していきます。オーク樽で熟成させると木の成分や香りがしみ込み洋風に、カメやタンクで熟成させるとその焼酎が本来持っている成分が、そのまままろやかになり和酒としての個性を主張します。焼酎は熟成させることで別な姿に変貌していくのです。
酒文化研究所 狩野卓也(日刊ゲンダイ 1/28掲載)
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