呑むスタイルもさまざま〜カメから注ぐ焼酎に魅せられて
本格焼酎は人気のためか、最近量り売りの本格焼酎を置いている居酒屋が増えてきたように感じませんか?私が飲みに行くお店でもカウンターの端にドーンとカメに入った本格焼酎が置かれています。量り売りの魅力は、普通の瓶に入った焼酎よりも何かおいしそうに感じることではないでしょうか。
もちろん説明を聞けば、長期熟成焼酎であったり、原酒であったりと何か少し中身が違っているものもあるようですが、それ以前に「あー、こういう風にして蔵の中で熟成されているんだな」と感じさせられることで、すでに一段おいしくなってしまうから不思議です。さらにそこから柄杓ですくって、グラスに注ぐときなど、「少しおまけしてよ!」と心の中で思わずにはいられません。これはお皿の上に載せたコップに一升瓶から酒が注がれるのを見ているときの感覚と同じです。
そういえば、最近はデパート地下の高級サラダや生ハムなどでも量り売りで買える商品が増えてきました。冷静に考えると量り売りは、容器や梱包資材がいらないので、安くなりそうなのですが、現実には、非日常を味わう楽しさからか、少し高級な食べ物にそぐわしい販売方法のようです。
そんなことを考えていたらもう飲みたくなってきました。
酒文化研究所 狩野卓也(日刊ゲンダイ 10/14掲載)
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