呑み方にも地方色がある〜博多の中州 焼酎の本場で舌鼓
5年ぶりに夜の博多・中州を歩きました。札幌のススキノと並ぶ日本を代表する繁華街のひとつであり、また現在に続く本格焼酎ブームの起点になった街です。
先日のコラムで東京でも焼酎の量り売りをする料飲店が増えてきたと書きましたが、博多でたまたま立ち寄った3店はすべてカウンターに量り売りのための本格焼酎のカメが鎮座していて、もはや当たり前のアイテムになっていました。最初に立ち寄ったお店は「イカの活け作り」を前面に押し出した「五条八島」というお店です。お酒はいも焼酎が中心ですが、地元福岡産を中心にした麦焼酎も5銘柄程度、球磨の米焼酎もひとつラインナップされていました。坂井さんという方が奨め上手で、有明産のむつごろうならこの焼酎、いかにはこれ、玄界灘のごまさばも欠かせないなど、遠来の客がおいしく飲み食いできるようコーディネートしてくれるのも楽しいです。
特に面白かったのは、同じ蔵元産の麦焼酎でお湯割り用、水割りロック用で別アイテムを奨めてくれたあたりでしょうか。
東京では食べ物に合わせてお酒を選ぶという飲み方は日本酒やワインではあっても焼酎ではなかなか見たりません。さすがは博多、本格焼酎の楽しみ方を心得ているなと感服した次第です。
酒文化研究所 狩野卓也(日刊ゲンダイ 10/21掲載)
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