お湯割りにして飲むとからだにいい理由とは
先週このコラムで本格焼酎には血栓を溶かす作用があると書きましたが、このことをもう少し詳しく説明してみましょう。怪我をして血液が流れ出すとかさぶたとなって固まり止血します。この作用は体の中でも同じようになっています。血管でなにか異常が起こると、血栓ができてその個所に貼りついて止血、修理するのです。
通常はその修復が終わるとプラスミノーゲンという酵素の働きによって血栓は溶けだすのですが、この働きが弱いといわゆるドロドロとした血液になります。本格焼酎にはこのプラスミノーゲンを活性化させる働きがあるのです。
では本格焼酎の何がそういう働きをするのでしょうか。本格焼酎の製法は単式蒸留といって一回しか蒸留しないので、エチルアルコール以外にも微量成分が含まれています。まだ完全に解明されてはいませんが、その中の脂肪酸エチルエステルという香り成分が血栓溶解の作用を高めていると考えられています。脂肪酸は嗅ぐだけでも効果はありますが、もちろん飲めば体内に直接吸収されるので効果満点です。
本格焼酎をお湯割りにして飲むということは、この香り成分を効率的に吸収する上でも役だっているのです。ごく自然に身体にもよい飲み方を見いだしてきた本格焼酎って凄いと思いませんか。
酒文化研究所 狩野卓也(日刊ゲンダイ 4/15掲載)
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