本格焼酎の出荷量が過去最高を更新、一升瓶で約2億4千万本!!
昨年一年間の乙類焼酎の出荷数量が前年対比15%増加で43万19klの過去最高を更新したと発表された。携帯電話やハイテク製品では珍しくないかもしれないが、お酒や食品の世界では大ブームと呼べる数値である。10年前の出荷量の1.5倍となっている。
一口に43万klと言ってもあまりピンと来ないと思うので、わかりやすくたとえると、一升瓶に換算して約2億4千万本である。昨年一年間に増加した分だけで2500万本にものぼる。ほとんどが零細中小メーカーで構成されている本格焼酎業界にとってはまさに何十年に一度の神風が吹いた年と呼んでもよいだろう。
しかしブームというのは怖いものでもある。かつて日本でナタデココのブームが起きたときに、某国ではわけもわからずにナタデココの大増産体制を敷いたところ、あっという間にブームは消えて残ったのは在庫の山だったという笑えない話もある。
農作物を原料にして、熟成という時間を要する酒である本格焼酎はそもそも急激な増産には対応しにくい構造にある。こういうときこそ造り手はブームに踊らされて粗製乱造に走らないように心して欲しいし、飲み手も温かく厳しい目で品質をチェックして末永く楽しみたいものである。
酒文化研究所 狩野卓也(日刊ゲンダイ 2/12掲載)
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