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本格焼酎が地方経済復活の“起爆剤”に
先週に引き続き、昨年の本格焼酎&泡盛の出荷数量を紹介する。先週のコラムで全体では15%増
加したと書いたが、ブームのさ
つまいも以外の麦・米・そば・酒粕などから造る本格焼酎も軒並み増加していた。もちろん増加率は3割に近いさつまいもがトップであったが、他もおおむね1割前後は増加しているのである。酒粕焼酎も全体に占める比率が0.3%しかないのでグラフではその他にまとめているが、1,160klと前年よりも1割強増加している。
構成比は、麦が5割を占めていてさつまいもが久しぶりに2割台に復活したことがちょっとしたトピックスといえる。
本格焼酎の場合には、原材料の違いによる味や香りの個性が飲み手の好奇心をくすぐる部分も大きい。したがって多様な原料が揃って増加しているということはとても好ましいことである。
発表されている数字からは熟成タイプの焼酎の構成比はわからないが、こちらも間違いなく増えている。出荷数量が増加しながら長期熟成品も好調となると、今シーズンの本格焼酎の仕込み現場は大変な活況を呈しているだろう。首都圏に比べると地方の景気回復が遅れ気味ということを経済誌などでよく目にするが、焼酎が起爆剤の役割を果たしてくれれば幸いなことである。
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酒文化研究所 狩野卓也(日刊ゲンダイ 2/19掲載)
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