本格焼酎が出荷量で初めて「甲類」を逆転か!!
早いもので本コラムも今回で年内最後になります。今回は予言をして終わりにしたいと思います。
先日国税庁から昨年度の乙類焼酎(本格焼酎のこと)と甲類焼酎の課税移出数量(出荷量のこと)が発表されました。ここ数年その差がどんどん小さくなってきていて、昨年は本格焼酎の40万klに対して甲類焼酎は45万klとその差は5万klでした。
本年度に入ってからも本格焼酎の人気はうなぎ登りなので、この差は月を追う毎に小さくなってきています。それぞれの業界団体の速報によると、1月〜10月までの前年比が本格焼酎が23.5%増加、甲類焼酎が4.2%増加となっています。この傾向が一年続くと仮定して年間数量を予想してみると、なんと本格焼酎が逆転しそうなのです。
これは昭和37年の酒税法改正で焼酎が甲類・乙類に区分されて以来初めてのことです。もともと日本の伝統酒類のひとつでありながら、大企業が多かった甲類焼酎業界に名前の上での優位性を奪われ、「乙」という名称に甘んじなければいけなかった当時の本格焼酎生産者の忸怩たる思いに考えをはせれば、2003年は記念すべき年になりそうです。統計の正式結果が発表されるのは数ヶ月先のことですが、どうなるのかが今から楽しみです。
酒文化研究所 狩野卓也(日刊ゲンダイ 12/25掲載)
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