本格焼酎は手作りのシングルモルト!?
本格焼酎の人気と歩調を合わせるように、ウイスキーの中でもシングルモルトスコッチの人気が高まりつつあります。
シングルモルトとは、単一蒸留所で造られたモルトウイスキーだけをそのまま詰めたもので、日本風に呼べば蔵出し生一本といったようなものです。普通のブレンデッドウイスキーよりも商品毎の味や香りの個性が際だつということも人気の一因なのでしょう。
ところで同じ蒸留酒の本格焼酎をその定義に当てはめて考えてみると、実はほとんどの本格焼酎がシングルモルトに該当します。しかも案外知られていないことですが、本格焼酎の蒸留器は、ウイスキーのポットスチルと同じような形状なのです。
九州の本格焼酎の産地に行くと、小さなメーカーでは、蔵元が自ら蒸留技師も兼ねています。
今では入手困難になった、ある芋焼酎がまだ無名だった頃のことです。味の変化に気がついた酒販店主がそのことを尋ねたところ、蔵元が自分で設計図を引いて、部分的には自作も交えながら、鍛冶屋に発注してポットスチルを改良していたのだそうです。
味のわかる人だということで、その酒販店主と蔵元の関係が一段と親密になったのは言うまでもありません。
まさに手作りの面白さを持ち合わせている酒、それが本格焼酎なのです。
(株)酒文化研究所 代表取締役 狩野卓也 (日刊ゲンダイ4/24掲載)
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