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| 2003/1/23 発行 no.52 |
寒づくりの蔵に行こう
1月も下旬になると各地の酒蔵では酒づくりが真っ盛りとなります。日本酒はまだ、多くの蔵で晩秋から春先にかけてだけつくられています。気温が低く乾燥しているこの時期が酒をつくりやすいからで、寒づくりといわれます。
酒づくりが始まると最初はふだん飲むクラスのお酒から仕込むのが一般的です。原料の米がおなじ産地のおなじ品種でも年によって癖が違うため、いきなり微妙な発酵管理が必要な酒をつくるような冒険はできません。夏のあいだ使わなかった工場が例年どおり動いてくれるとは限りませんし、酒づくりのスタッフの顔ぶれが替わっていることもあります。はじめはその年の酒づくりのシステムの動きを確かめながら進めるのです。
ちょうど今頃はそのシステムが安定して、いよいよ難度の高い酒づくりが本格化しています。大吟醸のような酒ですね。ですから、酒づくりを見るなら今からひと月ほどが一番おもしろい時です。蔵にはピリピリと緊張感が漂っています。
ただし、見学させてもらう時にはマナーを守りましょう。まず、大切なことは衛生面です。長い髪やひげは嫌われます。化粧は控えめにし、爪を切り、さっぱりした服装を心がけてください。そして礼儀です。事前に見学希望の日時を連絡し、見学の主旨とどのくらいの人数でなら見せていただけるかを確認してからでかけましょう。
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酒づくりの大事な時ですから、見学を断られることもありますが、決して悪意ではないことも理解してください。
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Illustration/福田トシオ
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