日本酒造組合中央会ホームページ
花こよみ
おでん
 2002/10/24 発行 no.39 
ふるさとおでんで一杯

「おでんは日本独自のファストフードだ」という記事を見て、なるほどそうだと妙に納得してしまいました。おでん研究家の新井由己さんの言葉です。今やどこのコンビニでもおでんは定番メニュー。おにぎりやサンドイッチだけではちょっと物足りないなあという時、プラスするのにちょうどよいメニューです。お店の中におでんの匂いが漂って、肌寒い日にはとてもそそられます。そう言えば子供の頃、毎日通っていた駄菓子屋さんが冬になるとおでんをやっていました。コンニャクやちくわを竹串に刺してもらって、おなかが減って夕食を待ちきれない午後5時頃の魔の時間に、よく買い食いしたものです。

新井さんは全国のおでんをくまなく食べ歩き、各地の出汁の特徴やおでん種に使われる素材、付けダレの種類など、綿密に整理していらっしゃいます。彼は、おでんは地方色がたいへん豊かで、どこの方も自分の所のおでんが全国標準と思っていることがおもしろいと言います。

たとえば、静岡では真夏でもおでんが好まれカキ氷といっしょに煮物風のおでんが並ぶそうですし、北東北ではつぶ貝がおでん種に使われるそうです。チクワブは首都圏だけのものだけで、九州北部では餃子巻きが登場するというお話もありました。 そろそろおでんが恋しい季節です。故郷のおでんとお酒でくつろぐのは、かなり心地よさそうです。

この際、コンビニのおでんでも仕方がない(とてもおいしいのですが、故郷のおでんと違うので、こんな言い方でゴメンナサイ)。今夜はおでんで一杯といきましょう。


イラスト
Illustration/福田トシオ

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