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「お客の喜んでもらうことを考えることが大事。そのためにお客の顔を覚えて、好みを覚える」
−初めて本格焼酎と出会ったのは?
近藤氏:8、9年前ですね。蔵元さんが地元北海道にイベントで来ていました。当時の北海道は焼酎といったら甲類(現在、正確には連続式蒸留焼酎)で、乙類(同・単式蒸留焼酎)の物流はほとんど無かった。酒販店にあるとしても片隅です。本格焼酎というジャンルすら分からなかった僕にとって、初めて飲んだ時はセンセーショナルでした。フルーティで飲み易く、「これが焼酎?」と思ったことを覚えています。少し前から東京でのブームから遅れて、北海道でも売れていますが、友人に聞くと地元の酒販店は「抱き合わせ」や「スタンプ制(スタンプがたまらないと有名銘柄は買えない)」があったりするって聞きます。有名銘柄にしがみつくのではなく、自分たちで良いものを押しあげる、育てあげる事が必要だと思うのですが・・。
−東京にいらっしゃった時は何を?
近藤氏:大手の酒販店の経営する居酒屋で働いていました。任される立場にいたものですから皆でメニュー考えて試作品をバンバン作ったり、自分が「これだ!」と思う本格焼酎&泡盛を置いていました。その時にスタッフと作った芋焼酎で果物等を漬けたものは、好きで北海道に帰ってきてからでもちょこちょこ作っています。生姜や柑橘系の小夏、デコポンなど、甘みに蜂蜜を入れてそれぞれ3ヶ月くらい漬け込みます。それをトニックウオーターで割ってね。デコポンのもの、一口いかがですか?
−柑橘系の爽やかさと芋焼酎の香りが非常に合い、
やさしい甘さが楽しめます。とても美味しいです。
近藤氏:使用する焼酎は芋芋しいものではなくマイルドな、柑橘系の香りを持つ芋焼酎が良く合いますよ。お客さんに喜んでもらうためにはやはり「飲んでうまい」が大事です。嗜好品ですからね。でも逆に考えると嗜好品というものはお金を貰えるものです。例えば800円の値段設定だったら、「800円もらえるためにはどうすればいいのかな?」って。グラスや氷に凝ってみたり、自分で、喜んでもらうことを考えることが大事です。そのためにもお客さんの顔を覚えて、好みを覚える。何回か会うと多少分かってきます。お酒も料理も、聞いちゃうのが一番早いですけどね。「何が好き?」って。東京や北海道でそういう風に創ってきた人との繋がりを、今、僕は凄く持っています。「喜んでもらうこと」を考えて努力する必要性は、どこに行っても共通なんです。 |
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