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本格焼酎と泡盛
人つなぐ和
   
「うまい!が集う」第7回 … 近藤 大氏

「お客の喜んでもらうことを考えることが大事。そのためにお客の顔を覚えて、好みを覚える」


初めて本格焼酎と出会ったのは?
近藤氏:8、9年前ですね。蔵元さんが地元北海道にイベントで来ていました。当時の北海道は焼酎といったら甲類(現在、正確には連続式蒸留焼酎)で、乙類(同・単式蒸留焼酎)の物流はほとんど無かった。酒販店にあるとしても片隅です。本格焼酎というジャンルすら分からなかった僕にとって、初めて飲んだ時はセンセーショナルでした。フルーティで飲み易く、「これが焼酎?」と思ったことを覚えています。少し前から東京でのブームから遅れて、北海道でも売れていますが、友人に聞くと地元の酒販店は「抱き合わせ」や「スタンプ制(スタンプがたまらないと有名銘柄は買えない)」があったりするって聞きます。有名銘柄にしがみつくのではなく、自分たちで良いものを押しあげる、育てあげる事が必要だと思うのですが・・。

東京にいらっしゃった時は何を?
近藤氏:大手の酒販店の経営する居酒屋で働いていました。任される立場にいたものですから皆でメニュー考えて試作品をバンバン作ったり、自分が「これだ!」と思う本格焼酎&泡盛を置いていました。その時にスタッフと作った芋焼酎で果物等を漬けたものは、好きで北海道に帰ってきてからでもちょこちょこ作っています。生姜や柑橘系の小夏、デコポンなど、甘みに蜂蜜を入れてそれぞれ3ヶ月くらい漬け込みます。それをトニックウオーターで割ってね。デコポンのもの、一口いかがですか?

柑橘系の爽やかさと芋焼酎の香りが非常に合い、
  やさしい甘さが楽しめます。とても美味しいです。

近藤氏:使用する焼酎は芋芋しいものではなくマイルドな、柑橘系の香りを持つ芋焼酎が良く合いますよ。お客さんに喜んでもらうためにはやはり「飲んでうまい」が大事です。嗜好品ですからね。でも逆に考えると嗜好品というものはお金を貰えるものです。例えば800円の値段設定だったら、「800円もらえるためにはどうすればいいのかな?」って。グラスや氷に凝ってみたり、自分で、喜んでもらうことを考えることが大事です。そのためにもお客さんの顔を覚えて、好みを覚える。何回か会うと多少分かってきます。お酒も料理も、聞いちゃうのが一番早いですけどね。「何が好き?」って。東京や北海道でそういう風に創ってきた人との繋がりを、今、僕は凄く持っています。「喜んでもらうこと」を考えて努力する必要性は、どこに行っても共通なんです。
プロフィール
  芋焼酎焼酎のデコポン浸 札幌市にある近藤さんのお店
北海道札幌市在住。学生時代にダイニングバーでのアルバイトなどを始め、多種多様な職業を経る。地元のイベント「蔵元を囲む会」で初めて本格焼酎と出会い、その後上京、大手酒販店の経営する居酒屋で働く。様々なお酒の知識、接客、アイディアを吸収し、地元北海道へ帰省。札幌で本格焼酎と比内地鶏を扱う焼き鳥店の跡継ぎとして日々精進する。
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