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「体は1人1人違うよ。僕と芋焼酎の相性が良いんだ。そういう風に自分のお酒を探すべきですよ」
−もともとお酒を嗜む方ではなかったとお聞きしましたが。
永井氏:全然酒飲みなんかじゃなかった。晩酌もしなかったです。しかも35歳の時にバセドー氏病になって、45歳くらいまでは1滴も飲みませんでした。その後は糖尿病で医者に注意されていましたし。
−そこからお酒を飲むようになったのは凄いですね。きっかけは?
永井氏:今から12年前に食道癌で内視鏡手術をしました。はっきりとした原因は分からないのだけど、その後、声が出なくなってしまったのです。医者に行っても声帯に異常はないと言うし、体の細胞が手術でショックを受けたのかもしれませんね。それから2週間後くらいに若い俳優達が飲みに誘ってくれた時、僕がひらき直って酩酊してワ〜ワ〜騒いでいたら「あれ?声出てるよ!」って。それから2〜3日は声が出ました。でもその後、また出なくなってしまったので飲んだら出た。それからは「声を出すために」飲むようになりました。
−医者には何も言われなかったのですか?
永井氏:もちろん僕の話は全然通じなかった。「お酒で声が出るなんてバカな!」って。でも声が出たのは事実だし、飲んで血糖値が下がる時もあった。その後、直腸癌の手術をして、医者にも「絶対に飲むな」とは言われたのですが、声のためにも絶対飲みたかった。だから自分に合うお酒を調べてみたのです。ワイン、ビールなどの醸造酒はダメでした。血糖値がポンと上がった。その中でまあマシだったのが色のついていない蒸留酒、ウオッカとかジンでした。そしたら友人が「糖尿病の主人がこれを飲んでいる」って米焼酎を紹介してくれて、それだと飲んでも血糖値が上がる事はなかった。それで焼酎を飲み始めたのですが、それが噂になってある人が芋焼酎を持ってきてくれたのです。芋焼酎は臭いからヤダって思っていたのだけど、すごく美味しかった。コクがあるのに爽やかで、香りもとても良かった。そしたら血糖値がスーっと下がったのです。
−医者もビックリしたのでは。
永井氏:そうですよね。頭ごなしにお酒を止めろと言う医者に「バカモ〜ン!芋焼酎飲んでみろ〜」なんて言ってやりたいくらいでしたね(笑)それから、芋焼酎一辺倒になってしまいました。7〜8年前まで300あった血糖値が2、3年で150くらいまで落ちて、もう声が出る出ないに関わらず飲むようになりました。糖尿病を治すために飲んでいると言ってもいいくらいです。医者は「そんな有り得ない!」って言うのですが、僕は「だけど先生、体っていうのは1人1人違うよ。僕と芋焼酎の相性が良いんだ。そういう風に自分のお酒を探すべきですよ」って。極めて個人的な意見ですが。
−最近の体調はどうですか?
永井氏:今年の7月に食道癌と直腸癌の検査に行きました。今まで食道は半年に1回、直腸は1年に1回検査するように言われていたのだけど、今年は、「直腸はもうあと3年来なくて良い。ツルンツルンだ」。ああ、芋焼酎は癌まで治してくれたって(笑)。もう、芋焼酎から浮気はしないでしょうね。他のお酒を飲んで、自分の体を試そうとはもう思わない。芋焼酎と、心中だあ(笑)。
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