|
|
「酒知る、味知る、人を知る」お酒は「心の栄養」です
岸氏:戦前の、「女が酒を飲むなんてとんでもない」という時代に育って、私が生まれて初めてお酒を口にしたのは32歳の時、出版社の新人歓迎会の時でした。その時に実は自分がアルコールに強い体質だと分かったので、それからガンガン飲むようになって、今でもずっと飲んでいます。
−お酒が強いのは遺伝的なものがあるのでしょうか?
岸氏:両親が沖縄出身なのがあるかもしれません。戦後に沖縄にウイスキーが入ってくる前、祖父や父の世代は皆、泡盛を飲んでいて、その頃は大げさに言うと部落ごとに泡盛蔵があったと言われるくらいでした。祖父は特に良く飲んでいて、子供の頃に印象に残っているのが「豆腐蓉(とうふよう)」。祖父は泡盛と一緒に非常にうやうやしく食べていて、「おじいちゃま、何を召し上がっているの?」って聞いたら「子供が口出すもんではない」と言われて、触らせて貰えなかった(笑い)。憧れの品でしたね。
−泡盛と豆腐蓉のような美味しいお酒と美味しい肴、
切っても切れない縁ですが本格焼酎&泡盛に合う、旬の肴を教えてください。
岸氏:シンプル過ぎない方が本格焼酎には合うでしょうね。今ちょうど見かける新ジャガを揚げてからお砂糖(もしくはみりん)と醤油で甘辛くからめたり、茹でた筍と肉厚のイカをサイの目に切って酢味噌で合えて辛子でアクセントを利かせたり。
−いいですね。では普段は本格焼酎&泡盛はどうやって飲まれますか?
岸氏:私はオンザロック。飲みやすいもの。氷が溶けてくれば適度に薄くなるし。ストレートはちょっとキツイです。でも最近、若い子や健康を考えてか団塊の世代が強い酒を飲まなくなっているようですね。ヨーロッパあたりでもそうみたい。無理に強いままのストレートやロックで飲む必要はないし、水割りやカクテルで楽しめばいいけど、男の子の意気地が無くなってきたんじゃない?その分女の子が良く飲むようになってきた気がするけど。昔はお酒って言ったら男性の飲むものだった。
―確かに男女一緒に飲んでいて、酔いつぶれているのは男の子だけとか、
最近良く見かけたりします。
岸氏:「酒知る、味知る、人を知る」、お酒の席での友達はいーっぱい増えてきますが、お酒で乱れるのは良くない。なんて言いながら私も酔って転んで、「もう飲んだら駄目だよ」って怒られたりしますが(笑い)。料理と共にお酒を楽しみ、会話を楽しむ。人生の潤滑油、「心の栄養」としてお酒、本格焼酎&泡盛を楽しんでゆきたいですね。
| |
|