近藤の首を浸けた焼酎はどうなったのだろうか?
NHKの大河ドラマ「新選組!」も今週末の放送で最終回となります。その中でどのように扱われているかが気になるシーンがひとつあります。SMAPの香取慎吾扮する近藤勇は、罪人として板橋で処刑され、その首は京都の六条河原に送られて晒される。そのとき保存のために火酒(焼酎のこと)に浸して送られたと文献に残っているのです。その焼酎がどのように描かれるのか、どんな容器にいれていたのかなどに興味は尽きません。
ところで遺体を強いお酒に浸して保存するというのは、珍しいことではない。それまで圧倒的に優勢だったナポレオン軍を破り、英国の独立を守った、1805年のトラファルガー沖海戦のネルソン提督の話は特に有名です。狙撃されて戦死した提督の遺体を本国まで持ち帰るのですが、そのときも腐敗防止のために船内に大量に積み込んでいたラム酒に浸けられて運ばれました。しかし、英国についたときに桶を開けると中のラム酒はなくなっていた。勇将ネルソン提督にあやかりたいからか、支給品の酒が切れたからなのか、水兵が盗み飲みしてしまったらしい。
近藤の首を浸けた焼酎は京都到着後、どうなったのだろうか。故事にちなんで、来週の新選組は焼酎を飲みながら見ようと思っています。
酒文化研究所 狩野卓也(日刊ゲンダイ 12/9掲載)
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