いも焼酎の本場では「ボトルでとって自由にお湯割り」が定着
昨年一年間で3割も出荷数量を増やしたいも焼酎。いも焼酎が他の焼酎と異なるところは原料のさつまいもの特性にある。水分や糖分が多く含まれている作物なので収穫したらなるべく早く酒に仕込む必要があるからだ。従ってこれだけいも焼酎に人気が出てきても造られている場所がさつまいもの大産地である南九州(鹿児島・宮崎南部)にほぼ限定されている。
先日鹿児島を訪れる機会があったので、いも焼酎の本場では今回のブームがどのように受け止められているのかを探ってみた。
鹿児島一の繁華街天文館通りにある「ぶんご」というお店では、焼酎をボトルでとって自由にお湯で割って飲むというスタイルが当たり前のように定着していた。そこでは東京では手に入りにくい有名銘柄も無造作に飲まれていた。これぞ地元の醍醐味かと思いましたが、よく聞いてみると鹿児島でお客様が銘柄にこだわるようになったのはつい最近のことらしい。
こちらでは、酒=いも焼酎のことであり、銘柄指名はあまりなかったらしい。それよりも「前日から焼酎を水に割りよく馴染ませてから燗につける」等、飲み方に対するこだわりが強い。しかし東京情報が逆輸入され、こちらでも銘柄を指名する飲み手もみかけはじめたとのことである。
酒文化研究所 狩野卓也(日刊ゲンダイ 3/4掲載)
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