本格焼酎の貯蔵には樽、タンク、カメ、壺などを併用
本格焼酎のラベルに「古酒」と書いてある場合には、3年以上貯蔵熟成した焼酎が、全体の半分以上使われているということを先週書きました。では、この貯蔵熟成はどのように行われているのでしょうか。ウイスキーの場合にはテレビコマーシャルにも見られるように樽に入れて貯蔵されています。この間に樽の成分がお酒に浸透してあの琥珀色になるのです。
本格焼酎の場合には、原料の種類や最終製品の仕上げ方法によって、樽・タンク・カメ壺など様々な貯蔵方法が採られています。樽に入れて貯蔵すれば樽の香りや色がついて焼酎はほんのりとした褐色になります。でも長期貯蔵された焼酎でもウイスキーのような濃い色のものはありません。焼酎の場合にはあまり濃い色がつくと、ウイスキーと混同する恐れがあるという理由で、酒税法によって色の濃さを制限されているからです。従って、樽で貯蔵する場合には樽に入れる期間をコントロールしたり、タンクや他の容器での貯蔵を併用するのが一般的です。
最近では、古酒という表示のない普通の本格焼酎でも数年間貯蔵熟成した焼酎を混和しているものも発売されています。度数の違う焼酎をブレンドすることで、全体にまろやかで落ち着いた味や香りになるからです。
酒文化研究所 狩野卓也(日刊ゲンダイ 11/27掲載)
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