蒙古襲来の島・壱岐は麦焼酎発祥の地だ!
日本全国で造られている本格焼酎であるが、国際的に原産地として認定されているところがある。平成7年にWTOから認証されたもので琉球泡盛(沖縄県)、球磨焼酎 (熊本県)、そして今回ご紹介する壱岐焼酎(長崎県壱岐島)の3箇所である。
壱岐は玄界灘に浮かぶ小さな島で蒙古来襲の島ということで有名であるが、この島が麦焼酎発祥の地なのである。その大きな特徴は、米麹を使うこと、麹作りに使う米1に対して麦2という配合比率にある。かつては製造した焼酎のほとんどが島内で飲まれていて、明治時代には50以上あった焼酎製造元も現在では7社に集約されている。
最近では島外への出荷も徐々に増えているが、製造量はすべて合わせても1万石強しかなく、都会では稀少品として珍重されている。壱岐焼酎のもうひとつの特徴は長期貯蔵酒が多いことである。伝統的なかめ貯蔵をはじめ樽やタンクで熟成された焼酎は、まろやかな味わいを醸し出してくれる。
話しは変わるが、10月31日に飯田橋で焼酎文化フォーラムが開催される。「沖縄の泡盛・九州の焼酎」と題したシンポジウムや試飲ができるので、焼酎好きには見逃せない。お問い合せは旅の文化研究所(03−3863−3181)まで。
酒文化研究所 狩野卓也(日刊ゲンダイ 10/16掲載)
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