日本酒スタイリスト 手島 麻記子
Osakeでイタリアン　vol.12

琥珀色の日本酒5年古酒は、年月を経た落ち着いた香りと共に、ドライな飲み口の後、余韻たっぷりな後味が楽しめます。透明だった日本酒が、こんなに美しい色に変化する時間の力。深みのあるやわらかな一杯を、ゆっくり味わうには、やはり年月の熟成を経たチーズがおすすめです。

イタリア料理では、メイン料理を終えた後、甘いデザートの前にチーズを食べますが、日本人の胃袋には、入りきらないこともしばしばです。しかし、イタリアチーズのおいしさは格別ですから、軽く夕食を済ませ、ゆっくりと楽しむ食後の時間に、じっくりと日本酒とチーズを楽しむのも、おすすめです。

コーディネート：
新緑の季節らしく、葉っぱ型の和食器にチーズを盛り付けました。5年古酒の美しい色合いを引き立てるには、漆の黒のような、はっきりした色合いのものに載せると、効果があります。

チーズの表面にある白い部分は、熟成によって生まれたアミノ酸の結晶、旨味のかたまりです。

食後のひと時、夜風にあたりながら、