適量の飲酒には、日常生活でのストレス解消、食欲の増進、人間関係の円滑化、動脈硬化の予防といった、大きな効用が四つもあります。最初の三つはなかなかデータとしては出しにくいんですが、動脈硬化の予防については、善玉コレステロールを増加させることによって、直接死につながる恐れのある狭心症や心筋梗塞の予防にその効果が確認されています。ただし、これはあくまでも適量飲酒の範囲内が条件です。適量飲酒がどのくらいなのかは、日本人の場合、約半数の人が飲酒による顔面紅潮(アセトアルデヒドの代謝欠損者)をきたす、いわゆる下戸(このうちまったくの下戸は約五分の一で、残りは飲酒により酒量が増加します)がいますので飲める人の場合にのみ、飲酒による害と益を考慮すると、日本酒換算で一日一~ニ合まででしょう。また週一日は休肝日を作ることも、アルコール依存症をチェックするために重要です。