そろそろ新米が出始める時期です。コシヒカリやひとめぼれ等おいしいお米はたくさんありますが、新米のピカピカの味わいは格別のものがあります。
ご存知のとおり日本酒はお米からつくられます。でも、どんなお米からでもおいしいお酒ができるわけではありません。酒づくりに向くお米とそうでないものがあるのです。古いお米と新しいお米では、保存状態にもよりますが新しいお米のほうがいいお酒ができます。品種では、意外なことにコシヒカリは酒づくりに向きません。食べてはたいへんおいしいお米ですが、日本酒の原料としてはイマイチなのです。
日本酒の原料にするお米は酒造用米とよばれ、なかでも特にいいお酒ができるお米を好適米(こうてきまい)と言います。好適米の代表は山田錦(やまだにしき)、雄町(おまち)、五百万石(ごひゃくまんごく)などです。こうしたお米の品種をラベルに表示した商品がありますから、お聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか。最近では、各地で新しい好適米の開発が盛んにおこなわれています。地元のお米でおいしいお酒をつくろうと、栽培農家や品種改良の専門家たちと蔵元が力を合わせて取り組んでいます。
ところで、ほとんどの日本酒で使われているお米は100%国産(安心ですね!)です。水田は、美しい景観や水害防止に大きな役割を果たしていますから、その維持に日本酒は貢献していると言えましょう。
実りの季節を間近にして、今日はお米にまでイメージを膨らませて日本酒を楽しんでみてください。