日本酒はとても豊かなお酒です。祝い酒、節句酒、雪・月・花を愛でる酒など、日本人の生活に深く根ざしています。飲み方はバラエティに富んでいるうえ、料理との相性もよく、旬の食材や季節の料理に幅広く合わせることができます。
「日本酒 花こよみ」は、こうした日本酒の魅力にスポットを当て、生活に潤いを与えるお酒をご紹介してまいります。毎週、木曜日にアップしますので、ぜひチェックしてください。
さて、初めての今回は燗酒のススメです。燗酒の魅力はそのおいしさに加えてシアワセ感にありましょう。木枯らし吹くなかを帰宅して、上手につけた燗酒をいただく時を思い出してください。器から伝わるぬくもり、口に含んだ時の柔らかさ、お腹からじわりと温まるシアワセ感は格別です。
おいしい燗酒をつけるには湯煎が一番です。見栄えのする鍋に湯を沸かして、沸騰したらそのまま食卓に移動します。あとは徳利を湯につけて2分~3分待つだけです。時々、味見をしてお好みの温度になったところで湯からあげてください。食卓で燗をつけるこのやり方は、お燗番役が要らず、自分で自由にやれるのがうれしいところです。
お燗に向かないお酒があるという意見もありますが、そんなに気にすることはありません。吟醸酒などの香りの高いタイプでも、ぬるめの燗はおいしくいただけます。いい酒はひやか冷やしてというのは誤解です。
バレンタインデーには、夫婦やカップルで燗酒を試してみてください。心もからだも温まる贅沢なひとときがすごせると思います。