日本酒造組合中央会ホームページ
花こよみ
しぼりたて
 2003/1/9 発行 no.50 
フレッシュに行こう

この時期、お酒屋さんの店頭にはしぼりたての新酒がたくさん並んでいます。

「しぼりたて」は、酒粕とお酒がいっしょになったドロドロの状態(醪・もろみと言います)のものを漉しただけで出荷する、超フレッシュなお酒です。ふつうは出荷前に2回加熱殺菌されますが、しぼりたては生のまま出荷されます。ですから発酵の途中で出る炭酸ガスがお酒に残っています。口に含むとさわやかな香りとともに、わずかに炭酸のチリチリした感触があります。

「生(なま)のお酒は一年中売られているじゃない?」という方、なかなか日本酒にお詳しいですね。そのとおり生酒は一年中あり、「しぼりたて」はそのひとつです。できたてのお酒を貯蔵熟成せず、若々しい味わいを楽しむものを特に「しぼりたて」と言っているのです。

新酒というのは、今は、この秋に収穫されたお米で仕込んだお酒のことです。ワインのヌーボーにあたります。初物のしぼりたての日本酒をぜひ、お試しください。

飲み方はちょっと冷やすか、そのままひやでいただくのが一般的です。原酒といって水でアルコール度数を調整していないものもあるので、飲み進むうちにちょっと重いなあと感じたら、氷を浮かべたり水で割ってください。

意外におもしろいのはしぼりたてのお燗です。せっかくの生のお酒をお燗にするのはルール違反のように感じるかもしれません。ですが、暖かい生酒の香りがやさしく広がり、冷酒にはない味わいが楽しめます。




イラスト
Illustration/福田トシオ

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