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土用の丑の日 鰻は日本酒で
7月は一年で一番鰻の消費量が多い月です。「土用の丑には鰻」という習慣は、江戸時代に平賀源内がキャンペーンを展開したのに端を発するといわれますが、夏ばてしやすいこの時期に栄養価の高い鰻を食べて養生しようという提案は、なかなかのアイデアです。
鰻の栄養価が高いことは万葉の時代にはすでに知られていました。万葉集では大伴家持が次のように詠んでおり、当時、鰻はもっぱら薬として食されていたとまでいわれています。
「石麻呂に吾物申す夏痩せによしというものぞ牟奈伎(むなぎ)とり食せ」
鰻が今のようにおいしくいただけるようになったのは江戸時代のことです。鰻を開いて竹串にさし、甘辛いたれをつけて焼くという調理方法、そう「蒲焼き」が生まれてからです。
鰻の蒲焼きはこってりしていて濃厚な味わいですから、お酒はコクのある日本酒を合わせましょう。料理に負けることなくおいしさを増してくれます。このタイプの日本酒は燗をすると味わいが膨らみさらにおいしく飲めます。ぬる目の燗で味わってみてください。真夏に涼しい部屋で、熱々の鰻をぬる燗で楽しむなんて、昔の人にとっては最高の贅沢ですね。
ところで、土用とは季節の終わりの18日間をさし、春夏秋冬それぞれにあります。丑の日は12日に一回ずつありますから、夏以外にも土用の丑の日はあるのです。一年を通じて土用の丑の日に鰻を日本酒で楽しんでみてはいかがでしょう。
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なにしろ、鰻がいちばんおいしくなるのは冬なのですから。
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Illustration/福田トシオ
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