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| 2002/7/25 発行 no.26 |
涼を飲む 豆腐百珍
料理レシピ本の古典、江戸時代のベストセラーといえば「豆腐百珍」でしょう。天明二年(1782年)に醒狂道人可必醇(せいきょうどうじんか ひつじゅん)が著したもので、続編も出され、その後も長く親しまれています。
豆腐はふるく中国から伝えられました。日本に入ってきた当初は僧侶や貴族など特権階級によって楽しまれたそうです。庶民の間に広がったのは室町時代。今では大豆を加工した食品としては納豆と並んで日本でもっともポピュラーなものになり、海外でも日本を代表する健康的な食材として知られています。
「豆腐百珍」には手の込んだものからシンプルなものまで、たくさんの豆腐料理が紹介されています。でも、夏向けのベストはなんといっても「冷やっこ」でしょう。生姜醤油でいただくのが一般的ですが、胡麻ダレや梅肉をのせてもなかなかいけます。海苔の佃煮、明太子、キムチなど好みのものをトッピングするとバラエティがぐんと広がります。トッピングするものによっては豆腐の水気が多いとシャブシャブになってしまうものもありますから、少し水気を切るなど工夫するといいと思います。
最近は近所のスーパーでも寄せ豆腐や胡麻やピーナツの豆腐などさまざまな豆腐が並ぶようになりました。こうした豆腐と組み合わせてもおもしろい味わいが楽しめます。
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少し冷した日本酒で冷やっこを楽しむ。夏らしくて手軽な一杯です。もちろん相性も抜群。これからしばらく、晩酌の定番にしてみましょう。
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Illustration/福田トシオ
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