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| 2002/6/6 発行 no.19 |
カラダの中から森林浴―樽酒のすすめ
新緑がまぶしい季節です。本格的な梅雨入りの前に森林浴に出かけてみましょう。秋の木々には枯れた趣がありますが、この時期には生気溢れる若々しい緑から元気を分けてもらえます。
新緑の時期に限らず森林浴には心身をリラックスさせ、リフレッシュさせる効果があります。森の空気に含まれるフィトンチッドという揮発性の成分のはたらきです。
ところで皆さんは日本酒の樽酒を飲んだことがありますか。樽酒は、お酒を杉の樽にしばらく貯蔵したもので、さわやかな杉の香りが特徴です。樽酒の歴史は古く、室町から江戸期にかけて広がりました。それまではお酒の貯蔵・運搬には甕やひょうたんなどが使われていました。板を組み合わせただけで、液体が漏れない樽作りには高度な技術が必要です。この技術が確立して量産できるようになったのがこの頃なのです。その後、昭和のはじめにお酒が瓶詰めで流通するようになるまで、ほとんどのお酒は樽に入れて運搬されていました。つまり日本酒とは長いこと樽酒であったのです。
先ごろ樽酒には森林浴と同じような効果があることが明らかになりました。杉樽に含まれるセスキテルペンという成分には高いリラックス効果があるだけでなく、潰瘍を防ぐはたらきが認められています。樽酒をいただくことはカラダの中から森林浴するようなものといえましょう。
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今度の父の日にはお父さんに樽酒をプレゼントしてみてはいかがですか。
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Illustration/福田トシオ
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