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本格焼酎と泡盛
本格焼酎と泡盛って何? 本格焼酎と泡盛の全て
基礎知識製造工程他のお酒との違い歴史Q&Aデータ紹介
本格焼酎と泡盛に関してよくある質問をQ&A形式で紹介
Q 1 本格焼酎と泡盛は二日酔いしにくいというのは本当?  
A 二日酔いは、飲み過ぎたお酒が、体内で完全に分解しきれず、翌朝まで積み残されたために起こるというものです。まず、「蒸留酒の方が、醸造酒より酔い覚めがよい」という説についてですが、醸造酒だけに含まれていて、蒸留酒にはない糖分やアミノ酸などは、酒の肴に充分含まれているので、本質的な差はないはずです。それでも本格焼酎の酔い覚めのよさを体験している人が多いのも事実です。それはすなわち、二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドが血液から消失しやすいからと考えられており、また普段飲みつけている酒は、知らず知らずのうちに、上手な飲み方を会得し、二日酔いになりにくいといえるでしょう。「酒をチャンポンすると悪酔いする」ということもよく耳にします。理屈では、酒酔いの度合は摂取したアルコールの総量できまり、チャンポン悪酔い説は確たる根拠のない俗説とされていますが、お酒が変われば、別の胃袋に入るような気がして、つい飲みすぎてしまうというのが二日酔いの原因とされているのでしょう。  


Q 2 本格焼酎と泡盛のカロリーはどれくらい?
  A 水を除いた本格焼酎と泡盛の成分の99.9%以上はアルコールですから、そのカロリーはすベてアルコールから生まれます。25度物の本格焼酎と泡盛1合は250キロカロリーの熱を出しますから、25度物2.3合は白米1合分の御飯に匹敵します。しかし、体重60kgの人の肝臓の処理能力は25度物2.5合程度で、御飯に比べてかなり遅く、積み残されると色々な障害の原因となります。フランスの国立衛生研究所の調査によると、1日の必要エネルギーの10%程度の飲酒は何ら健康に影響しないということです。ただ酒の肴は高カロリーのものが多いので肥満の方はバランスをとることが必要です。


Q 3 本格焼酎と泡盛は美容に良いって本当?  
A お湯割りして12〜15度にした本格焼酎と泡盛の寝酒は、その日のストレスをきれいに解消してくれるでしょう。一杯の本格焼酎と泡盛は寝つきを良くし、熟睡できるので疲労回復と活力再生に有効です。お休み前のお肌の手入れとともに試してみてはいかがですか。美容の上で大切とされる食物の中には、1.良質なタンパク質源となる赤身の肉・魚・大豆、2.ビタミン・ミネラル・食物繊維を含む緑黄色野菜・キノコ類・海草類・果実類・いも類、3.良質タンパク質のほかにカルシウム・鉄・ビタミンAやB2などの栄養素を幅広く含んでいる牛乳や鶏卵などがあります。1、2にあげた食品は本格焼酎の絶好な肴として親しまれているものばかりです。なかでも2のキノコ類や海草類には、細胞を生き返らせる働きがあるとして注目されているトレハロースという糖が沢山含まれ、また見た目にボリュームのある野菜は量的な満足感を与えながら、その実、低カロリーなので、高カロリーのものが比較的多い酒の肴の中で貴重な存在です。また「本格焼酎と泡盛を飲んでみたいが、あとで酔っぱらうのでは」と恐れる方は飲む前に、アルコールの吸収を遅らせ、粘膜を保護して胃にやさしい牛乳を飲んでおくのもよいでしょう。適量の本格焼酎と泡盛はあなたを心身ともに美しくしてくれるでしょう。  


Q 4 本格焼酎と泡盛はどれくらいの量が飲まれているの?
  A 昭和63年には沖縄県を含む全国で、30万4千kl、すなわち一升瓶として1億6,900万本もの本格焼酎と泡盛が飲まれ、酒税額に換算した本格焼酎党のお国への貢献度は139億円にのぼります。昭和40年の4万8000klに比べ昭和63年のそれは6.3倍と飛躍的に増加しています。ビールでさえ2.9倍ですから、その伸び率は大変なものです。このような変化が何故この25年間に起こったのでしょうか。 日本でも昭和45年頃から知識人を対象とした雑誌に本格焼酎が取り上げられはじめ、50年にはマスコミにも注目され、酒類流通業者が関心を寄せるようになりました。『個性を主張する少数派』として見直された本格焼酎のブームが始まったのです。ブームというものは過ぎれば忘れ去られるものですが、本格焼酎と泡盛の場合、一度飲んだら忘れ難い風味があり、ブームを過ぎた今も安定成長を続けています。


Q 5 本格焼酎と泡盛の表示についての決まり事ってあるの?  
A

1.表示制度の現状
わが国の酒類は、(1)酒税の保全及び酒類業組合等に開する法律(酒類業組合法)、(2)食品街生法(食衛法)、(3)不当景品類及び不当表示防止法(景表法)に基づいて表示されています。

(1)酒類業組合法に基づく表示
酒類業組合法では酒税保全の観点から、製造者名、製造場の所在地、原材料名、容器の容量、酒頬の種類及び品目、アルコール度数などの表示を義務づけています。また、「酒類業組合法施行規則第十一条の五(品目の例外表示)において「本格焼酎」と「泡盛」の定義が定められています。

(2)食衛法に基づく表示
食衛法では国民の健康保持の観点から、製造者名などのほかに食品添加物についても表示を義務づけています。

(3)景表法に基づく表示
景表法では不当な表示による顧客の誘引を防止し業界の公正な競争を確保し、一般消費者の利益を保護する観点から、優良誤認表示などの不当表示を禁止しています。
また、同法では事業団体などが公正取引委員会の認定を受けて、表示に関する事項について業界の自主ルールとして「公正競争規約」を制定することができるとされています。

2.焼酎の表示に関する公正競争規約
焼酎の表示に関しては、公正競争規約が昭和61年10月l日(泡盛は昭和59年4月1日)から施行されています。同規約は、(1)必要な表示事項、(2)特定用語の表示基準に集約され、その具体的内容は下記のとおりです。

(1)必要な表示事項

1.酒類の種類及び品目
2.原材料及び添加物等
3.容器の容量(内容量)
4.アルコール分
5.事業者の氏名又は名祢
6.製造場の所在地
7.発ぽう性を有するものにあってはその旨

(2)特定用語の表示基準

1.冠表示
次のいずれかに骸当する場合でなければ、冠表示(特定の原材料の使用を強調する表示をいう。)をしてはならない。
イ 当該原林料が、使用原材料の全部又は大部分を占めるものであるとき。
ロ 当該原材料の使用比率が、使用原材料のうち最大であるとき。
ハ 当該原材料の使用比率を施行規則の定めるところにより、冠表示に併記して表示するとき。

2.原 酒
蒸留後に水、混和物、添加物等を加えず、かつアルコール分が36度以上のものでなければ、原酒の文字を表示してはならない。

3.長期貯蔵
3年以上貯蔵したものが、ブレンド後の総量の50パーセントを超えるものでなけれぱ、長期貯蔵又はこれに準ずる趣旨の表示をしてはならない。

4.かし樽貯蔵
かし樽に貯蔵し、その特色を有するものでなければ、かし樽貯蔵と表示してはならない。

 


Q 6 「本格焼酎の日」があるって聞いたのだけど?
  A 昭和62年9月、九州で本格焼酎業者の会議が開かれた時、本格焼酎を広くアピールするための節日を制定することとなりました。毎年8〜9月頃仕込みが始まり、その年の『本格焼酎ヌーボー』すなわち縁起のよい新酒が飲めるようになるのが11月1日前後だということから衆議一決、毎年11月1日を「本格焼酎の日」と定めました。また全国の土地神様が出雲大社に集まるため留守になるので10月を神無月といいますが、11月1日は神様がお国へ帰るめでたい日に当たり、本格焼酎が毎年新しい芽を出す節日としてふさわしいといえます。11月1日が「いい月いい日」と読めるのも偶然ではないような気がします。


Q 7 最近よく聞く「ハードタイプ・ソフトタイプ」の焼酎の違いって?  
A 焼酎ブームに先立つ昭和40年代、米国で始まった白色スピリッツ指向が世界に広がりました。本格焼酎と泡盛はまさに典型的なホワイト・スピリッツなのです。一方、世界的な健康指向と50年代の焼酎ブームに刺激されて、アルコール分20度台のウォッカなどのスピリッツが、昭和62年頃からスピリッツ市場に参入しはじめました。すなわち本格焼酎は世界の嗜好傾向を先取りした酒として、海外から注目を集めているのです。さきの焼酎ブームのなかで、これまでハードタイプ一本であった本格焼酎に、ソフトタイプといわれる新顔が生まれました。伝統的な製法でつくられた製品には多種多様な香気成分が含まれ、原料由来の風味が生きています。これがハードタイプ製品です。 これに対して減圧のもと低温で蒸留した本格焼酎は、原料の風味に乏しい反面、華やかな香りがあって、飲む人に軽快感をあたえ、ソフトタイプ製品といわれています。この滅圧蒸留法が使われ始めたのは昭和46年ころからで、それ以前の本格焼酎をソフト→ハードの順に並べると、黒糖製→いも製→麦製→米製→泡盛→酒粕製のようになったのですが、現在では米製・麦製・そば製で減圧蒸留によるソフト製品が主体を占めるようになりました。泡盛は伝統的なハードタイブを守り続け、またいも焼酎は甘い蒸かし芋の香りを生かすため、ほとんどの製品が伝統的製法でつくられています 。  


Q 8 古酒と新酒について知りたいのだけど?
  A よく「清酒蔵で搾りたての酒を飲むのが一番美味しい」という声を耳にしますが、それは雰囲気の問題で、本当は搾ったばかりの清酒は、まだ味がばらばらで美味しいものではありません。同様に、蒸留したての本格焼酎と泡盛も、アルコールが踊っているように味が粗く、またアルデヒドやイオウ化合物など揮発しやすい成分が混じっているため、いわゆる「ガス臭」がします。この原酒をタンクに囲っている間にアルコールが水に馴染み、ガスも飛んで、おいしい本格焼酎になるのです。これが調熟であり、商品化までには蒸留してから3か月位待たねばなりません。特別な方法で造って『新酒』とうたう製品でも、最低1か月位の熟成は必要です。本格焼酎の表示法によると、『古酒』とうたえる商品は、総量の50%超が3年以上の貯蔵酒であるものと定められています。古酒は水割りしてはもったいないという方も多いようですが、良い原酒を長期間熟成させた酒は味がまろやかで、穏やかな芳香が立ち、水割りしても風味が崩れないものです。


Q 9 本格焼酎と泡盛にときどき白い固まりが浮くことがあるのだが?  
A 製品の白いモヤモヤの塊は、原料に含まれる脂肪分に由来する<焼酎油>なのです。この油は気温が高いときには焼酎に溶けていますが、寒くなると分離して、油となって浮き上がったり、例のモヤモヤした塊になることがあります。その本体はリノール酸を主体とする脂肪酸とアルコールが結合して生じるエステル化合物です。白い固まりの主成分であるリノール酸は、植物油に含まれており、動脈硬化や心臓疾患をひき起こす血液中の悪玉コレステロールを少なくする働きをすることで知られています。したがって焼酎油は健康のためには有益なものといえます。しかし、この油は空気に触れると酸化して、本格焼酎の香りを悪くするもとになります。そこで、焼酎の上に浮いてくる油をすくい取ったり、冷やして固まらせ、ろ過してから製品化するようにしています。ところが焼酎油には、舌の味を感じる器官(味蕾)を覆い、味に丸味を与える効果があります。そこで油を取り過ぎた焼酎は、味が粗く、うす辛くなってしまうのです。したがって焼酎にまろやかさを与える程度の油を残しておくのが理想で、そのコントロールは各メーカーの腕の見せ所といえるでしょう。壜を透かして見て、うっすら曇っている製品は、焼酎油の効果を考えているのです。  


Q 10 本格焼酎と泡盛の商品としての特性は?
  A 本格焼酎と泡盛の商品学的特徴として、次の3つが挙げられます。
1.蒸留酒としての特性。蒸留によってもろみのアルコール分や香気成分などの酒の精(スピリット)だけを濃縮した本格焼酎には、酒を劣化させる成分が非常に少ないので、日光に当てたり高温に置かない限り、流通段階で品質の劣化を気にする必要はないばかりか、むしろ年月がたてばアルコールがなれてくるという利点さえあります。
2.麹(こうじ)使用の蒸留酒としての特性。麹に由来する複雑な風味は、魚の生臭みや油料理のしつこさを消すなど、クセのあるにおいを中和し、口中感を爽やかにします。
3.製品の多様性。本格焼酎は泡盛・米製・いも製・麦製・そば製など主原料の違う製品を品揃えすることによって、お客の好みにあった商品が提供できます。また同じ原料の製品でも産地の違い、製造法の違いや精製法などの違いにより、風味が異なるのも特徴です。本格焼酎と泡盛は酒のなかでも特に個性派の酒といえるでしょう 。


Q 11 本格焼酎と泡盛の肴になるような話は?  
A 本格焼酎が早くから生活に欠かせない飲み物になっていた沖縄や九州には、いろいろ本格焼酎にまつわる話が語り継がれてきました。

<二合五勺>昔、酒をはかる枡は二合五勺が単位でした。「二合五勺一つ(ゴイツ)」といっておかわりを注文したものです。ゴイツを重ねて酔っばらい、くだをまきはじめた人をヤマイモ堀りといいます。土をほじくって山芋を掘るところが、どことなく似ているからでしょう(宮崎県の話)。二合五勺の升3盃分の焼酎を入れる通い徳利を、熊本県の球磨地方では三杯徳利と呼んでいます。

<早苗饗(サナブリ)焼酎>昔、太宰府天満宮の神嶺田(シンリョウデン)では反当り米三俵が普通でした。農民達は反収を上げるため一生懸命工夫しました。清酒粕を蒸留して粕取焼酎をとり、その粕を肥料にしたら反収が倍増しました。もちろん、粕取焼酎の方も稲作行事に欠かせない御神酒で、田植えの後のお祭りとして早苗饗焼酎という名が生まれました。(福岡県の話)

<日高山伏>目高存竜院にケチな山伏がいました。塩辛一本を包んで懐に入れ、花見にでかけました。「花がきれえでごわすなあ」とかいって話かけては、花見客からいも焼酎を振舞ってもらい、用意の塩辛を肴にします。その塩辛には糸が結んであって、喉を通ったところで引きもどせば、何回でも使えます。こうして日高山伏はケチな人の代名詞になったということです。(鹿児島県の話)

<主婦の役目>昔は酒をつくるのは主婦の仕事でした。酒造りの責任者を杜氏というのは刀自(主婦)からきた言葉といわれています。沖縄では今でも主婦が泡盛を造っている蔵があります。男は酔うと口が軽くなって造りの秘法を他人に漏らしてしまうし、他家に嫁入りする娘も駄目。酒造りの技術は主婦から嫁に伝えるものとされていたのです。
 


Q 12 お店に行くと、本格焼酎と泡盛の種類が年々増えているようですが?
  A 昭和48年、25度換算で約7万kl強しか飲まれていなかった本格焼酎が昭和60に約27万kl弱まで急激に伸びたことは、今でも記憶に新しいところです。ブームは去ったとはいえ、29万kl前後で消費は安定し需要は定着しています。品質面からみると、酒類は嗜好品ですから、どんな良い酒でもすべての人を満足させることはできません。「これはうまい」という人がいれば、「これはまずい」という人も必ずいるものです。ですから、店頭に置かれる本格焼酎と泡盛も、ある程度変化をもたせた品揃えをすることを大切に考えているようです。しかも、本格焼酎と泡盛は、原料、つくり方の違いで、品選びにことを欠きません。また貯蔵性もよいので、数を揃えても安心です。本格焼酎と泡盛には、高級品からレギュラー品まで多様な製品があり、これからは、さらに価格の多様な展開が期待されており、手造りの高品質本格焼酎と泡盛を高価格で販売している本格焼酎と泡盛専門店型の酒販店が最近は増えています。
 
     
 
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