1.表示制度の現状
わが国の酒類は、(1)酒税の保全及び酒類業組合等に開する法律(酒類業組合法)、(2)食品街生法(食衛法)、(3)不当景品類及び不当表示防止法(景表法)に基づいて表示されています。
(1)酒類業組合法に基づく表示
酒類業組合法では酒税保全の観点から、製造者名、製造場の所在地、原材料名、容器の容量、酒頬の種類及び品目、アルコール度数などの表示を義務づけています。また、「酒類業組合法施行規則第十一条の五(品目の例外表示)において「本格焼酎」と「泡盛」の定義が定められています。
(2)食衛法に基づく表示
食衛法では国民の健康保持の観点から、製造者名などのほかに食品添加物についても表示を義務づけています。
(3)景表法に基づく表示
景表法では不当な表示による顧客の誘引を防止し業界の公正な競争を確保し、一般消費者の利益を保護する観点から、優良誤認表示などの不当表示を禁止しています。
また、同法では事業団体などが公正取引委員会の認定を受けて、表示に関する事項について業界の自主ルールとして「公正競争規約」を制定することができるとされています。
2.焼酎の表示に関する公正競争規約
焼酎の表示に関しては、公正競争規約が昭和61年10月l日(泡盛は昭和59年4月1日)から施行されています。同規約は、(1)必要な表示事項、(2)特定用語の表示基準に集約され、その具体的内容は下記のとおりです。
(1)必要な表示事項
1.酒類の種類及び品目
2.原材料及び添加物等
3.容器の容量(内容量)
4.アルコール分
5.事業者の氏名又は名祢
6.製造場の所在地
7.発ぽう性を有するものにあってはその旨
(2)特定用語の表示基準
1.冠表示
次のいずれかに骸当する場合でなければ、冠表示(特定の原材料の使用を強調する表示をいう。)をしてはならない。
イ 当該原林料が、使用原材料の全部又は大部分を占めるものであるとき。
ロ 当該原材料の使用比率が、使用原材料のうち最大であるとき。
ハ 当該原材料の使用比率を施行規則の定めるところにより、冠表示に併記して表示するとき。
2.原 酒
蒸留後に水、混和物、添加物等を加えず、かつアルコール分が36度以上のものでなければ、原酒の文字を表示してはならない。
3.長期貯蔵
3年以上貯蔵したものが、ブレンド後の総量の50パーセントを超えるものでなけれぱ、長期貯蔵又はこれに準ずる趣旨の表示をしてはならない。
4.かし樽貯蔵
かし樽に貯蔵し、その特色を有するものでなければ、かし樽貯蔵と表示してはならない。
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