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『李朝実録』、1462年の条で「那覇の御物城(おものぐすく:貿易品収納倉、現在の那覇軍港に位置する)内の酒庫には3年以上の酒が貯蔵されている」とあり、南蛮焼酎か、琉球焼酎かははっきりされていませんが、今から約550年前の那覇ではすでに酒を貯蔵する文化があったそうです。戦前は200年ものもあったとされる沖縄の伝統文化、古酒(クース)とはどういうものなのか?蔵元さんに聞いてみました。
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ウサキヤ、マーサスーラーサンヤー!
(素晴らしきかな泡盛!) |
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「昔、旧家に古酒(クース)の甕があるのは当たり前でした。1年に2回程度その家族の記念日、結婚、出産、成人の日など、特別な日にクースを楽しみます。2〜3名で一合程度、カラカラに入れ、ちょこでゆっくり舐めるように。親の甕の中を飲んだらその次に古い(1)の甕から親に古酒を入れ、次の(3)の甕から(2)へと、これを順に繰り返します。これを仕次ぎといいます。飲みっ放しにしてしまうと甕の内側につく菌が酸を作ってしまうのでどんなに良いものでも味が変わってしまい、もとには戻りません。目安は甕の八分目。甕いっぱいに古酒を入れても熟成の力が弱まってしまいます。あとは可愛がってあげる事。(バカヤロバカヤロ)と言いながら扱うと古酒は腐れてしまうのですが、(美味しく育っておくれよ)と思って接すると本当に美味しくなるんです。子供の育て方と同じですね」。
どれだけ違うのか。蒸留したての泡盛と5年古酒を飲み比べてみました。通常、市場にある泡盛新酒は最低でも半年〜1年は寝かせています。何故寝かせるのか。グラスに顔を近づけた瞬間理解しました。目が痛い!出来立ての蒸留酒全般に見られる独特の刺激臭が突き抜けます。全麹仕込のため、品質の特性が強く出る傾向があるそうです。恐る恐る一口。つーんと鼻を突き、舌を刺激します。暴れん坊という言葉がぴったりです。その5年後といえば甘さとナッツ系の落ち着いた香りが広がり、芳醇さが余韻として残ります。たった5年、されど5年。ここまで変わると思いませんでした。
人も様々な経験、失敗をして、丸みのある大人になっていきます。泡盛も甕、タンクの中で己を丸くしていっているのでしょうか。3年や5年、10年という年代だけが古酒の美味しさではないといわれます。気候、環境、タイミング、愛情、様々な要素が重なって素晴らしい古酒が出来上がります。 |
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