日本酒は、世界中の色々なお酒の中で、最も多彩な楽しみ方が選べる独自の酒文化を持っています。
少し羨ましいお酒としては、日本酒の蔵元に行って、搾りたてを頂く事。ピチピチした新鮮な香りと味わいは、現地ならではの体験となるでしょう。
ごく一般的に、日本酒は「冷や」か「お燗」をつけるのが、広く知られている事です。日本酒を楽しむ適温は、非常に幅が広く、5℃~60℃近くまでとなっています。日本酒の持っている様々な香り、味わいの要素の絶妙なバランスと、お米からの旨味や、とろみなどが幅広い温度に対応でき、また夫々の温度帯で少しずつ変化した美味しさが現れるのです。
日本酒は、世界で最も高度で、複雑な醸造技術で造られています。
ほとんどの日本酒の出来たて、つまり原酒はアルコール度が18%~20%にもなります。このままの度数で原酒として出荷される場合もありますが、一般的には、蔵元の仕込水で割り、味わいを整えてから私達の手元に届きます。
江戸時代の酒は、上方から送られてくる下り酒等、仲買人や問屋によって、水で割って販売されていました。その店のノウハウがあり、おのずと旨い店と、そうでない店があったようです。
こんな歴史を見ても、日本酒を水で割ることは失礼でも、邪道でもなく、生活の知恵として、私達も取り入れても良いと思います。
他の酒類と異なって、日本酒は少しの水を加えると、潜んでいたきめ細やかな酸味と旨味が前に出て、そのままのお酒とは一味違う事が感じられます。
また、例えば15%の日本酒8に対して、水2を加えると12.5%。ワイン位の度数になるのです。これでも充分に料理との相性を楽しめて、すっきりした飲み心地も生まれます。そして割水したお酒を燗につけると「薄めた」とは思えない味の広がりも発見できます。
水は軟水か、やや軟水のミネラルウォーターですと、香りの延がハツキリと理解出来ると思います。新たな日本酒の楽しみをとどうぞ。
※度数と%は同じです、日本酒は、どちらで表現しても良い