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| 2002/8/29 発行 no.31 |
残暑の燗酒
まだ日中はうだるような暑さですが、さすがに8月末ともなると朝夕はだいぶしのぎやすくなってきました。
この時期の日本酒はお燗でいきましょう。冷たい飲み物に疲れた身体をじんわり温めてあげましょう。暑いときに熱いお茶を飲むとのどの渇きがおさまるように、暑いときの燗酒もおいしいものです。
日本酒は冷やしても温めても、それぞれにおいしい世界でも珍しいお酒です。酸味や苦みがわずかで、うまみ成分が多いため、温度の変化で味のバランスがほとんど崩れないのです。フルボディの赤ワインを冷やすと、きつい渋みが際立って飲みにくくなります。酸味のある白ワインやピルスナービール(日本のほとんどのビール)はぬるい温度ではしまりがありません。ところが日本酒はさまざまな温度で、おいしく飲むことができます。
失敗しないお燗のつけ方のポイントは、なんと言っても湯煎でつけること。深めの鍋に湯を沸かして火を止め、酒を入れた徳利を浸します。温度が上がると酒は膨張してかさが増えますから、徳利いっぱいに酒を入れないように注意してください。2〜3分でちょうどよい温度になります。徳利の底を触ってほんのり温かければぬる燗、気持ち熱めかなと思うくらいが適温です。徳利の上と下では酒の温度が違うので、首の方で温度を見るとぬるすぎることがよくありますから注意してください。
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もっとも、自分で飲むならぬるければ湯にもう一度つけて温めればすむことですが。
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Illustration/福田トシオ
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