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| 2002/8/8 発行 no.28 |
和酒器でいただく日本酒
今では日本酒をグラスでいただくことが多くなりましたが、和食器には独特の味わいがあり、常々そのよさを見直したいと思っていました。そこで今回は和食器での日本酒の楽しみ方をお話します。
和酒器には陶磁器と漆器があります。陶磁器はいわゆる「焼き物」で、漆器は木製のものに漆を塗った「塗り物」。最近は安価なプラスチック製の塗り物風のものも多く出回っています。
陶磁器は大きく陶器と磁器に分かれます。陶器は鉄やマグネシウムなどの金属分を多く含んだ粘土を使い、約1200度で焼いたものです。益子焼、瀬戸焼、美濃焼、萩焼などが代表的で、釉薬をかけていないものは水分を吸収するため酒をゆっくり飲んでいると器の色合いが微妙に変わってきます。磁器は金属分をほとんど含まない土を使い、陶器より高い1300〜1400度で焼きます。伊万里焼、有田焼、九谷焼などが知られ、吸水性が無く透明感がある硬い口当たりが特徴です。このほか、備前焼や信楽焼などの焼き締めといわれる器があります。
洋食器では同じ絵柄のものを揃えて使うことが多いですが、和食器は気に入ったものを自由に取り揃えて楽しむことができます。色や形だけでなく、実際に器を口に当てて触感を確かめて、好みのものを選ぶとよいでしょう。なお、吸水性のある陶器は使ったあと手早く乾かしてしまってください。
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冷奴や鰻の蒲焼など夏らしい料理を和食器に盛り、お気に入りの陶磁器の猪口で日本酒を楽しみましょう。花火の晩に浴衣を着ていただくなら間違いなくこのスタイルです。
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Illustration/福田トシオ
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