 |
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
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徳利のすすめ
ワイングラスの名門リーデル社のグラスに日本酒の大吟醸用のものがラインナップされているのをご存知でしょうか。同社のグラスはワイン産地やぶどう品種ごとに、その味わいを引き出すベストのシェイプを追求していることで知られています。ボルドー用とかブルゴーニュ用などのグラスに混じって大吟醸用のグラスが数年前に開発されました。
日本でも塗りの杯や陶製のぐい飲みなど酒器が発達しています。最近はグラスで日本酒をいただくことも多くなりましたが、バラエティの豊富さや味わいの深さはやはり伝統的なものにかないません。
日本の酒器で特に充実しているのは注酒器です。注酒器は文字どおりお酒をグラスに注ぐための酒器。徳利や片口はその代表です。日本酒は杯や猪口など小さい器で飲むのが常であったこと、また燗をつけて飲む習慣があることなどから、注酒器が発達したのでしょう。
今週末は日本酒を徳利で楽しんでみましょう。燗をしなくてもお酒を徳利に移して食卓に置くのです。やってみると食卓が上品になることを実感していただけると思います。びんはしょせん酒を運搬するための容器です。どうしても無骨な感じがあります。
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もうひとつ注酒器のいいところは飲んだ量がよくわかること。ついつい飲みすぎてしまう私のようなのん兵衛には、たいへん便利なペースメーカーになります。
日本酒を綺麗にいただくために徳利は欠かせない道具です。どんどん使っていきましょう。
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Illustration/福田トシオ
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