「森のなかで味わう、大地の恵み」 美濃焼(岐阜県)
米のふくよかな味わいをたっぷりと含んだ純米酒と、鮎の甘露煮の組み合わせは、まったりすることなく、思いのほか、ナチュラルで、軽快な味わいです。唇に触れた盃の縁からは、土のぬくもりが伝わり、酒の味わいをまろやかに包み込みます。盃の底から、木の葉の触れ合う音が聞こえてくるようです。
太陽の光をあびて、川のせせらぎに耳を傾けながら飲む、夏の日本酒。どんな時でも、自然のなかで飲むお酒は、いつもより格段においしく感じます。
この夏は、日本酒を飲みに、森へ出かけてみませんか。お神酒として、古来より神に捧げらてきた日本酒は、神が創造した大地の恵みより生まれたもの。自然の霊気が、お酒の味わいを一層深めます。
文・コーディネート/手島麻記子photo/亀谷進
今回のPick up―加藤音(かとう おん)―
加藤音(かとう おん)
- 東京生まれ。
- 1994年
- テーブルウエアフェスティバル
優良賞・入賞(95年、96年) - 1997年
- 京都クラフト展 入選
- 1998年
- 札幌ビアマグランカイ 入選
- 2004年
- 酒の器展(金津) 入選(2005年)
手にとると、ほっとするような寛ぎを感じる加藤氏の作品には、自然に恵まれた美濃の風土を思い起こさせてくれます。
「自然の中で感じる光や風、香り、空気、そんな形のない感覚を器にのせて届けたいと思い制作しています。今回の酒器は水辺に映る木の葉のイメージを銀彩を施し表現しました」