「深まる秋の夜、香り高き日本酒を味わう」 伊万里・有田焼(佐賀県)
繊細できれいな味わいの大吟醸酒には、干し海苔のような、自然そのもののつまみがよく合います。飲むたびに、盃の底に描かれた秋草文様が、風にそよぐ草花のようにゆらゆらと、何かを語りかけてくるような、心豊かなひとりの時間です。
静まりかえった深夜のひと時、愛読書を傍らに飲む今宵の日本酒は、ほどよく冷やした大吟醸。盃を口元へ運ぶ前から、あたりに漂う可憐な香りが、秋の野山に咲く草花たちの姿に重なります。
大地の恵みと人の英知が生み出した深い味わいが、飲むほどに五感を研ぎ澄ましていくようです。
文・コーディネート/手島麻記子photo/亀谷進
今回のPick up―梶原 真理江(かじはら まりえ)―
梶原 真理江(かじはら まりえ)
- 1955年
- 佐賀県伊万里市生まれ
- 1974年
- 県立伊万里高校卒業、
井手デザイン社入社 - 1981年
- 源右衛門窯入社(陶磁器・絵付け)
- 2001年
- 伊万里・有田焼伝統工芸士 認定
職業訓練指導員免許取得(陶磁器科) - 2002年~2007年
- 全国伝統的工芸品公募展 入選
「時間に追われる忙しい生活の中で、ふっと、心を和ませてくれる…。
そんな器造りを目指して、一筆一筆心をこめて描いております。
命を吹き込んだ手作りの作品の、優しさ暖かさを充分に感じて頂き、
心和むひと時のお手伝いができれば幸いです。」