みそは中国、もしくは韓国を経て日本に入ってきたもので、庶民の食事に組み込まれるようになったのは、室町時代になってからといわれています。そもそも鎌倉時代以前は粒を残したまま使われ、調味料兼たんぱく質補給源として「大豆を食べる」ことを目的としていました。しかし鎌倉時代になって粒のあるみそを禅寺で「する」というひと手間を加えたことで調味料として用途が広がり、みそ料理の発展基盤ができました。
その後、みその用途を「みそ汁」だけでなく、食品の保存や臭み消しのために使うことが広まったのが江戸時代に入ってからです。冷蔵庫がない時代に獲れたての魚の鮮度を保つために、みそ漬けが広まりました。また肉の中でも牛肉のみそ漬けは古く、今から100年前に、東京の大富豪が「松坂牛と米沢牛を東京で同時に食べたい。」と言ったのがきっかけで、日持ちさせるためにみそ漬けにさせたというのが始まりだとか。魚の粕漬けに比べて肉の粕漬けは日持ちがしないので、そこにみそを加えたのがきっかけ。一方、みそだけでは塩辛いので、後から酒粕を加えたのが本当、ともいわれています。
みそには雑菌の繁殖を抑え、魚や肉の臭みを取ります。また、みその中の酵素が食品のたんぱく質を分解し、漬け込む前よりも柔らかくするので食べやすくなります。みその酵素は加熱すると失活するので、生みそを使うのがポイントです。
今回は西京白みそと砂糖を多く加えてあるので、甘味を強くした仕上がりになっています。さっぱりしたみそ味がお好みの場合は、信州みそを多めにして砂糖の代わりにみりんを使うと良いでしょう。もちろん、お好みで酒粕を加えても美味しいですよ。
特徴的な栄養素
たんぱく質、糖質
(調理時間:6~7時間)
管理栄養士・金子ひろみ
ご家庭で簡単に作れる日本酒に合うおつまみをご紹介いたします。
お仕事が終わった後に、友人を招いて簡単なホームパーティーを開くときに、手軽に作れることがポイント。また、美容と健康のためにも、おつまみにも気を配って、必要な栄養素も補給してしまいましょう。