なすはインドが原産で、中国では5~6世紀に記録がみられます。日本でも8世紀に記録があり、私達の食生活に昔から浸透していたようです。形は丸なす、卵形なす、中長なす、長なす、大長なすと様々あり、調理方法も煮もの、田楽、マーボなす、炒め物、漬物、みそ漬け、みそ汁の具と多種多様にわたっています。
なすは水分と糖質以外に際立った栄養素は見当たらないものの、近頃は皮の紫色の部分にはナスニンというアントシアニン系の色素が多く、コレステロール値を低下させ、動脈硬化の予防に期待ができるといわれています。また変色を起こすアクはポリフェノールで、発がん物質の抑制の効果があるのでないか、とも言われています。
夏においしいなすを、日本酒とともに是非召し上がっていただきたいと思います。なすの皮に多いナスニンは水溶性です。皮の紫色を生かしたい場合は、長時間煮る料理には向きません。油炒めや揚げ物などの油を使った加熱方法で、色の溶出や破壊も防げます。
あっさり味でまとめた揚げなすをヒンヤリ冷やし、常温の日本酒を添えるのもの良し。ピリ辛に味付けしたアツアツの揚げなすを、ヒンヤリ冷やした日本酒とともにいただくのも良し。栄養価は高くなくても何本食べても飽きないなすは、案外底力がある野菜かもしれません。何といっても歴史がある野菜ですから。
特徴的な栄養素
糖質、ナスニン、
ポリフェノール
(調理時間:30分)
管理栄養士・金子ひろみ
ご家庭で簡単に作れる日本酒に合うおつまみをご紹介いたします。
お仕事が終わった後に、友人を招いて簡単なホームパーティーを開くときに、手軽に作れることがポイント。また、美容と健康のためにも、おつまみにも気を配って、必要な栄養素も補給してしまいましょう。