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一般に
血液の循環を妨げる血栓は悪者扱いされがちですが、決して悪者ではなく、それどころか体にとって不可欠なものです。
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血栓症は血栓を溶かす力が弱まったために引き起こされる病気なのね。 |
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私たちの体は
常に体内で出血の危険にさらされています。たとえば、肺の毛細血管では赤血球が血管とこすれ合いながら流れ、血管を通して酸素を取り込んでいます。しかし、物理的には非常に無理なことで、血管は常に消耗し、出血する危険性があります。血管が傷つき少しでも出血すると血栓が固まって出血を止め、その間に消耗した血管を修復し元の状態に戻します。もし私たちの体に血栓がなければ出血は止まらず、最後は出血多量で死んでしまいます。
このように
血栓には出血を止める働きがありますが、問題は役目を終えた血栓がいつまでもそのまま血管に残って血管を詰まらせ、心筋梗塞や脳梗塞などの血栓症を引き起こしてしまうことです。
だから 、速やかに血管に残っている血栓を溶かせれば心筋梗塞や脳梗塞など血栓症の病気は防げるのです。
つまり、血栓症は血栓を作る作用が大き過ぎるのではなく、逆に溶かす力が弱まったために引き起こされる病気です。だから、日頃から血栓溶解酵素の活性化を高めることが必要で、それが心筋梗塞や脳梗塞など血栓症の予防につながります。
私は
、研究に協力してくれる学生たちと、この20年間にいろいろなお酒を飲みました。本格焼酎や泡盛は勿論のこと、ワイン、ウイスキー、日本酒、ビールなどを飲みました。研究所などへも行って酒を飲んでもらい、実験を繰り返しました。その結果、どんな酒でも飲まない人よりも飲んだ人の方が、固まった血液が溶けやすいことがわかりました。
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<Aさんの場合>
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<Bさんの場合> |
飲み物 |
本格焼酎 |
赤ワイン |
甲類焼酎 |
飲む前の濃度 |
98.21 |
94.76 |
93.12 |
後の濃度 |
121.90 |
105.93 |
95.04 |
上昇値 |
23.66 |
11.17 |
1.92 |
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飲み物 |
本格焼酎 |
赤ワイン |
甲類焼酎 |
飲む前の濃度 |
99.36 |
95.14 |
94.00 |
後の濃度 |
123.17 |
106.88 |
96.04 |
上昇値 |
23.81 |
11.74 |
2.04 |
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(注1)いずれも摂取するアルコールを同量にして測定
(注2)赤ワインはポリフェノールの多い物を使用
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特に本格焼酎や泡盛は 、他のどんな酒類より固まった血を溶かす作用が強いことがわかりました。
その差はどれくらいかと言うと、酵素の活性値、つまり血栓溶解酵素は、普通の人には400〜500ありますが、15度の本格焼酎や泡盛を1合飲むと、500くらいの血栓溶解酵素が2倍以上の1150とか1200ぐらいに跳ね上がります。 これは、健康酒としてブームを起こした赤ワインの約1.5倍に相当します。
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